一般歯科

一般歯科

むし歯に対する考え

私たちの歯科医院では、むし歯治療を単に「歯を削って詰める」という処置ではなく、歯の健康を長期的に維持するための取り組みと考えています。

そのため、いきなり治療に入るのではなく、カウンセリングを通して患者様の不安や希望を丁寧に伺い、一人ひとりに合った治療計画を立てています。

初診の流れ

歯は一生に一度しか生えてきません。歯を守るためにも早期発見・早期治療で大切に管理することが重要です。

また、治療した歯はできるだけ長く使っていただきたいという想いから、歯を削る際はむし歯になった箇所をしっかりと取り除くことを徹底しています。むし歯が残っていると、どんなに良い詰め物をしても、すぐに脱離したり、再発したりする原因となるからです。

また、切削器具の切れ味が悪くなると歯を傷つける恐れがあるため、消耗品であることを理解し、切れ味が悪くなり次第、新しい器具に取り替えるよう心掛けています。

常にベストな状態で質の良い歯科治療を提供することを目指しています。

治療時に気をつけていること

治療時に気をつけていること

当院では、むし歯治療に入る前に、必ずレントゲン撮影を行います。目視では確認できない部分のむし歯も見逃さず、むし歯の進行状況も把握することが可能です。

検査結果に基づいて治療計画を立て、必要な治療内容やこれからの治療の流れを患者様にご説明いたします。

治療内容の説明には、動画を用いてわかりやすくお伝えしています。視覚的に確認することで不安が解消され、治療に対する理解と納得を深めていただけるよう心掛けています。また、難しい専門用語の使用は避け、患者様に理解していただけるよう努めています。

治療中は患者様の状態に気を配り、定期的に声かけをしています。また、不安な点があればすぐに解消できるようコミュニケーションを大切にしています。患者様との信頼関係を築くことで、より良い治療につなげられますので何でもお話しください。

むし歯が根っこまで達してしまった場合(根管治療)

むし歯が根っこまで達してしまった場合

歯の内部には神経と血管が通っています。むし歯がここに達すると、激しい痛みや腫れを引き起こします。この場合、神経を取り除く「根管治療(こんかんちりょう)」が必要です。

根管治療は、むし歯に侵された神経や血管を完全に除去しないと、症状が治まった後でも再びむし歯が発症する恐れがあります。その結果、詰め物や被せ物を再度作り直す必要が生じ、これまでの治療が無駄になってしまう可能性があります。

当院では、先進的な歯科用CTを備えており、歯の内部の構造を立体的に把握することが可能です。これにより、神経の取り残しを防ぎ、より精度の高い治療を提供します。

歯の神経まで到達したむし歯を放置すると、歯を失ってしまう可能性があります。根管治療が必要と診断された場合は、早めに治療を受けることが大切です。

麻酔について

麻酔について

むし歯治療で使用する麻酔の注射が苦手な方は少なくありません。当院では、患者様の負担を軽減するためにさまざまな工夫をしています。

まず、表面麻酔の使用です。表面麻酔は歯茎の表面に塗る麻酔薬で、針を刺す際の「チクッ」とした痛みを軽減します。

さらに、注射の際には人肌に温めた麻酔薬を使用し、細い針を採用することで痛みを軽減しています。

また、痛みに敏感な方や不安を感じやすい方が安心して治療を受けられるよう、丁寧な対応を心掛けています。麻酔について不安な点があれば、お気軽にご相談ください。

歯周病とは?

歯周病は、歯周組織(歯茎・歯槽骨・歯根膜など)に炎症が起こる病気です。成人の8割以上が罹患していると言われており、初期段階では自覚症状がほとんどありません。そのため、気づかぬうちに進行していることが多い病気です。

歯周病は進行度によって以下の3段階に分類されます。

  • 軽度:歯茎のみに炎症がある段階
  • 中等度:歯槽骨が部分的に破壊されている段階
  • 重度:歯槽骨が大幅に破壊されている段階
歯周病とは?

進行すると歯茎の腫れや出血、歯槽骨の吸収、歯のグラつきなどの症状が現れます。喫煙やストレス、不規則な生活、不十分な口腔ケアなどが発症や悪化の要因です。また、適切な治療を行わなければ重症化し、歯を失うこともあります。

歯周病の予防には、毎日の丁寧な歯磨きだけでなくクリニックでの専門的なクリーニングも重要です。早期発見・早期治療も大切なので、歯周病の症状に気づいたら早めに歯科医院を受診しましょう。

歯周病のサイン

以下のような症状に気づいたら、早めに歯科医院を受診しましょう。

  • 歯茎が腫れる
  • 歯磨きをすると出血する
  • 歯茎が下がって歯が長くなったように見える
  • 歯がグラグラする
  • 口臭が気になる
  • 歯茎から膿が出る
  • 歯に違和感がある
  • 硬いものを噛むと痛い
  • 食べ物が挟まりやすくなった

歯周病と全身の疾患について

歯周病は、糖尿病や心疾患、脳卒中などの全身疾患のリスクを高めることがわかっています。

歯周病と糖尿病

糖尿病患者は免疫機能が低下しているため、歯周病にかかりやすくなります。一方で、歯周病が悪化すると炎症が全身に広がり、血糖値のコントロールが難しくなります。 この悪循環を断ち切るためには、歯科検診を受け、早期に歯周病を発見し治療することが重要です。

歯周病と脳卒中

歯周病と脳卒中にも関連があることがわかっています。歯周病菌が血管内に侵入すると、血管壁に炎症が生じ、血栓を形成しやすくします。これが脳卒中のリスクを高める原因となるのです。

歯周病と心疾患

歯周病菌が歯茎の血管を通じて全身に広がると、動脈硬化を引き起こすことがあります。動脈硬化は、動脈の内壁にプラーク(コレステロールが蓄積したもの)を形成し、血管を狭くして血流を阻害します。この動脈硬化が心筋梗塞や狭心症などの心疾患を引き起こすのです。

歯周病検査

歯周病検査では、「プローブ」と呼ばれる細い棒状の道具を使って、歯周ポケットの深さと出血の有無を測定し、歯周病の進行度を評価します。健康な歯周ポケットの深さは通常1〜3mm程度ですが、歯周病の進行度に応じて以下のように分類されます。

  • 軽度の歯周病:4mm程度
  • 中等度の歯周病:5〜6mm
  • 重度の歯周病:7mm以上

また、歯周病の進行度を判断するため歯の動揺度の検査も行います。歯を軽く押したり引いたりして、どれだけ動くかを調べます。動揺度は以下のように分類されます。

  • 0度:生理的動揺の範囲(0.2mm以内)
  • 1度:前後に少し歯が動く(0.2~1mm)
  • 2度:前後左右に歯が動く(1~2mm)
  • 3度:前後左右と上下に歯が動く場合(2mm以上)

さらに、レントゲン検査も行い、歯を支える歯槽骨の高さがどの程度減少しているかを評価します。

歯周病治療

歯周病治療の目的は、歯周病の原因となる細菌を減らし、歯周組織の健康を回復させることです。

歯周病の治療には以下の方法があります。

  • プラークコントロール
  • スケーリング
  • SRP
  • 不良補綴物や修復物のやり直し
  • 咬合調整
  • 暫間固定
  • 抜歯
  • 歯周外科治療

プラークコントロール

プラークコントロール

歯周病治療の基本は、プラークコントロールです。プラークは歯に付着する細菌の塊であり、その中には歯周病を引き起こす細菌が含まれています。歯周病を防ぐためにはプラークを取り除き、再び付着させないことです。

そのためには、自宅でのセルフケアが重要になります。当院では、一人ひとりに合わせた歯磨き指導を心がけています。歯科医師や歯科衛生士がお口の中の状態を確認した上で、歯ブラシの選び方や磨き方、使用するデンタルケア用品などについてアドバイスいたします。

スケーリング・SRP

スケーリング・SRP

スケーリングとは、歯や歯茎に付着した歯石やプラークを器具で丁寧に取り除く作業です。歯周病の原因となるプラークをしっかりと除去することが目的です。

一方のSRPは、スケーリングに加えて、 歯根の表面を滑らかにする処置 です。歯と歯茎の境目に汚れが溜まりやすい歯周ポケットができてしまうと、そこに細菌が溜まり炎症を引き起こします。SRPではポケットの中までしっかりと掃除し、再び汚れが溜まりにくい状態に整えます。

不良補綴物や修復物のやり直し

隙間や段差がある詰め物や被せ物は、細菌の温床になります。これらを修正または交換します。

咬合調整と暫間固定

噛み合わせが合っていない場合、歯の安定化を図るために咬合調整を行います。暫間固定は動揺している歯を一時的に固定する処置です。

抜歯

歯を残すのが難しい場合は抜歯し、ほかの歯や歯周組織への影響を防ぎます。

歯周外科治療

歯周外科治療

歯周基本治療を行ってもなお、4mm以上の深い歯周ポケットが残る場合や、器具が届かない部位がある場合は、外科的なアプローチが必要となることがあります。

代表的な手術として「フラップ手術」があります。歯茎を一部切開して歯の根っこを直接見えるようにし、歯周ポケットの深いところにある歯石やプラークを除去する方法です。

しかし、重度の歯周病になると、歯を支える骨が溶けて失われたり、歯と歯茎をつなぐ歯根膜が傷ついたりする場合があります。

このような状態に対しては、「歯周組織再生療法」が行われます。これは、特殊な薬剤を歯周ポケットに注入し、骨や歯茎の再生を促す治療法です。「リグロス」や「エムドゲイン」などの薬剤が使用されます。歯を支える骨の一部が縦方向に失われている重症例に有効です。

メタボリック・ドミノとは

メタボリック・ドミノとは、健康問題がドミノ倒しのように次々と連鎖的に発生すること を言います。この連鎖反応のスタート地点(ドミノでいう1枚目)として注目されるのが、歯科領域である「むし歯・歯周病」です。

むし歯・歯周病から全身疾患へ

むし歯・歯周病から全身疾患へ

むし歯や歯周病は放置すると肥満・高血圧・高コレステロール・高血糖といった生活習慣病に繋がる可能性があります。これは咀嚼能力の減少によって、食事内容が変化(例えば野菜などの食物繊維が噛み切れない、お肉などのタンパク質が噛めない)してしまうこと、また十分に咀嚼せずに飲み込むことで消化器に負担をかけすぎてしまう事が原因です。

これらの生活習慣病は、さらに「糖尿病」「脳梗塞」「心筋梗塞」といった重篤な疾患へと発展するリスクを高めます。

早期予防の重要性

早期予防の重要性

つまりドミノの最初の1枚目である歯科領域で問題を食い止めないと、ドミノ倒しのように一気に健康を害する可能性があります。歯と口腔の健康を守ることは、全身の健康を保つために非常に重要です。

メタボリック・ドミノを防ぐためには、歯と口腔内の健康管理が不可欠です。定期的な歯科検診と適切なケアを通じて、全身の健康を守りましょう。ご自身の健康を守るため、ぜひ当クリニックでの定期検診をご利用ください。

当院で行う予防処置

歯を失ってしまった方

歯を失ってしまった方には、インプラント、入れ歯、ブリッジなどの治療法があります。それぞれの治療法の特徴やメリット・デメリットを説明し、患者様に合った治療法をご提案いたします。

インプラント

インプラント

インプラントは、失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に土台(アバットメント)と人工歯(上部構造)を取り付けて、歯の機能と見た目を取り戻す治療方法です。

天然歯と変わらない自然な見た目で、噛む力が強く、食事を楽しむことができます。また、発音にも影響を与えません。適切なケアを行えば長期間使用できます。ただし、顎の骨にインプラントを埋め込むため、十分な骨量が必要です。

インプラントの詳細はこちら

ブリッジ

ブリッジ

ブリッジは、失った歯の両隣の歯を支えにして人工歯を装着する治療法です。失った歯の両隣の歯を削り、その歯を支えとして3本以上の連結した被せ物を装着します。この構造が橋のように機能するため「ブリッジ」と呼ばれています。保険適用のブリッジは、比較的安価で作製可能です。

ブリッジはインプラント治療と比べ、治療期間が短くて済むのがメリット。ただし、隣接する健康な歯を削る必要があるため、その歯の寿命を短くする可能性があります。

入れ歯

入れ歯

入れ歯は、失った歯と歯茎や粘膜を補う、取り外し式の人工歯です。全ての歯を失っている場合は「総入れ歯」を、部分的な場合には「部分入れ歯」を使用します。部分入れ歯は、残っている歯に小さな金属のバネを掛けて固定し、人工歯を支えます。

入れ歯は取り外しができるため、日頃のお手入れが簡単です。また、保険適用の入れ歯は、比較的安価で作製できるメリットもあります。

ただし、部分入れ歯はバネが目立ちやすく、審美性を損ねてしまうのがデメリット。また、バネをかける歯に負担がかかりやすいため、その歯が長持ちしない可能性もあります。

インプラントやブリッジと比べて慣れるまで違和感を覚えやすく、うまく噛めないことがあるため、はじめは噛む練習が必要です。

入れ歯の種類

入れ歯には、いくつかの種類があります。それぞれの特徴やメリット、デメリットを理解することが重要です。

保険の入れ歯

保険の入れ歯

保険の入れ歯は、主にレジン(樹脂)で作られています。必要最低限の機能であるため、比較的安価で作製可能です。

レジンは、歯の色や質感を再現することが難しく、見た目が人工的に感じられることがあります。また、摩耗しやすく、長期間の使用によって形状が変わることがあります。

ただ、修理がしやすく、損傷した場合でも比較的容易に元の状態に戻すことが可能です。

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーは、金属製のバネを使わない入れ歯です。装着感が自然で、見た目も目立たず、他人から入れ歯であることがほとんどわかりません。

素材はポリエステル・ポリアミド(ナイロン)・ポリカーボネートといった柔軟性のある素材を使用しているため、装着時の違和感が少ないです。

また、金属を含まないため金属アレルギーの心配もありません。ただし、修理が難しいというデメリットがあります。損傷が生じた場合には新しいデンチャーに交換することも考慮する必要があります。

金属床

金属床

金属床とは金属製の土台を使用した入れ歯です。薄くて軽い仕上がりであるため、装着時の違和感が少なく、食事や会話をスムーズに行えます。

また、金属床は耐久性が高く熱の伝導性が良いため、長期間にわたる使用に耐えることができ、食べ物や飲み物の温度を感じやすいです。ただし、金属アレルギーのある方には適さない場合があります。

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